音無鉄道、幽霊専用車両を導入
「隣に幽霊が座ってしまって、悪寒が止まらなくなった」「金縛りにあって、乗車できなかったことがある」「妖怪アンテナ立ちっぱなしですよ」など、音無鉄道には幽霊への苦情が寄せられている。
調査したところ、利用者の4割近くが故人、あるいは霊的存在であることが判明。これを受けて音無鉄道は、生者と死者を分離することを決意した。
別々の車両に乗れば、悪寒を感じたり、念仏の音漏れにびくびくすることもないわけだ。
と言いたいところだが、混乱は続くかもしれない。
「河童ってどっち? 亜人じゃないの?」「天使と同じ車両に乗るくらいなら、この世を滅ぼす」「十字架を持ったまま電車に乗らないで……」
と言うように、幽霊からの要望も多いのだ。幽霊側からの要求に対し、音無鉄道の反応はない。
「そもそも、会社運営がすべて生きた人々に任されているという点が問題。幽霊の権利拡大を訴える!」
と言うことも叫ばれるようになった。
生者と死者、その共存の道には、レールは敷かれていないようだ。


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